こんにちは!
生産、物流現場カイゼン研究会中国支店の矢崎早人(やざき はやと)です!
処暑が過ぎ、暦の上では暑さがやわらいでいくはずですが、この夏はどうでし
ょうかね!?
本当に暑い日が続いています。
2010年8月の現場カイゼンニュースレターをお届けいたします。どうぞ宜
しくお願い致します。
(矢崎の詳細プロフィールは以下でご覧下さい。
http://china.a-solsh.com/profile04.html )
生産、物流現場のカイゼンを生業としている私ですが、それが習慣化すると、
仕事場だけでなく家事にまでカイゼンの目が向けられてしまいます。
もはや職業病です。。。
トヨタ生産方式では、後工程はお客様だとか、後工程の人が作業しやすいよう
にモノを置きなさいということがよく言われます。
実はこれってなかなかピンと来なかったのですが、弊社のカイゼニストから聞
いたある一言でその意味が良く理解できるようになりました。
それはずばり、「カイゼンは思いやりなんだよ」という一言です。
ちなみにカイゼニストとは、中国の生産現場を訪問して現場カイゼンの方法を
説き、その現場の中で自らカイゼンできる人材を育成するプロのことです。
(現場カイゼンの実況中継は下記をご参照ください!!
http://china.a-solsh.com/akan02.html)
さて、カイゼンが思いやりであることについて、家事の代表である「洗濯」を
例にとって考えたいと思います。
洗濯を一つの工程だとすれば、前工程は服を着ることですね。
日本の一般的なご家庭でいえば、洗濯工程の担当者はお母さんでしょうか。
最近は全自動洗濯機が一般的になりましたから、洗濯もずいぶん楽になりまし
たよね。
しかし、服を着ている人が好きなところに服を脱ぎ捨ててしまったら、後工程
の人はそれを探してまわらなければなりません。
まさに「探すムダ」が発生してしまいます。
そこで、よほど行儀の悪いご家庭でないかぎり、汚れた衣服を入れる置き場、
多くは洗濯機の近くにカゴが設置されているはずです。
家族の人はそこに脱いだ服を入れますよね。そのことで後工程の人は探すムダ
を最小限にすることができます。
しかし洗濯は分類が必要な場合も多いものです。色落ちしやすいもの、汚れの
ひどいもの、ウール、下着、大物など、分別しておかないと、洗濯時に選り分
けしなければなりません。これも「探すムダ」の一つに含まれるでしょう。
そんなにたくさんの置き場が設置されているご家庭は少ないかもしれません
が、洗濯ものが分別しやすいような表示、あるいは色分けがされていると、「異
常にすぐ気がつく」ことができます。
例えば、お父さんの下着と靴下が娘さんのカゴの中に紛れ込んでいると、大
クレームに発展してしまいます。
また、一回の洗濯の量に合わせてカゴの大きさを選べば、カゴがいっぱいにな
ったら洗濯するという量的な目安にすることもできますね。
そして、最後は服の脱ぎ方です。例えば靴下を脱ぐときに、裏返しにしたり、
丸まった状態でカゴに入れたとしたら、後工程のお母さんは洗濯する前や干す
ときにそれを元に戻さなければなりません。
後工程の人の「作業のムダ」が発生してしまうのです。
靴下を脱ぐときに裏返しにならないように脱げば、後工程の作業はとても楽に
なります。そこまでの配慮ができているか、そのための作業手順が決まってい
るかはご家庭によって違うと思いますが、いかがでしょうか??
ここでいう後工程への思いやりは、まさにお母さんへの思いやりと言えますよ
ね!
「私は家政婦じゃないっ!!」
と怒っているお母さんをみかけたことはありませんか!?
いつも洗濯をしてくれてありがとうという感謝の気持ちを持たないといけま
せん。
それでは反対に家政婦だったらいいのかと言うと、それはそうではないですよ
ね。金を払えば済むという問題ではありません。
家政婦だって作業の手間が減れば効率が上がりますし、異常にすぐに気がつく
ことができれば不良品もなくなります。なによりも、発注者が家政婦の仕事に
感謝することが大事です。その結果、お互いにとても気持ちよく仕事ができる
わけです。人間は感情で動く生き物ですからね。
やはり生産現場には思いやりがないとカイゼンは進みません!
さてさて、実際の製造現場は洗濯のように単純な構造ではありませんし、まさ
に金をもらってやっている仕事ですから、後工程への思いやりが発生しにくい
かもしれません。
そこで、今回は「現場の思いやり度」を評価するためのチェックリストをご用
意しました!!
下記の10個の質問に○×でお答えください。
80%以上できている場合は○、そうでない場合は×です。ちょっと厳しい目
でチェックしてくださいね。
1.場所(所表示、番地)表示の看板はあるか?
2.棚品目表示とモノ品目表示の看板はあるか?
3.最大在庫量と最小在庫量の看板はあるか?
4.通路、仕掛等が線でハッキリわかるようになっているか?
5.治工具など使いやすい、戻しやすい工夫があるか?
6.不要な材料、部品、仕掛品、在庫品はないか?
7.不要な使わない設備、機械はないか?
8.不要な使わない治具、工具、金型、刃具、備品はないか?
9.不要なモノが一目でわかるか?
10.要、不要、捨てる基準ができているか?
結果はいかがでしたか?? ○はいくつ有ったでしょうか。
評価基準は下記の通りです。
○が8個以上:思いやりがある現場です。
○が5~7個:中途半端な思いやりです。
○が4個以下:思いやりが不足しています。
もうお気づきかもしれませんが、上記のチェックリストは現場の整理整頓がで
きているかのチェックリストでもあります。
形だけの5Sにならないように、カイゼンの心構えを現場に根付かせたいです
よね。
もし上記のリストで○がほとんど付かなかったら、、、すぐにご連絡ください。
現場のスタッフに思いやりの心が芽生える秘策をお伝えします。
それではまたメールします。
いつもご愛読いただきありがとうございます。
生産、物流現場カイゼン研究会 中国支店
矢崎 早人より
==== おしらせ =======
2010年7月8日に発行された神田昌典さんらの書籍で当研究会のオフィス
が紹介されました!
「ビジネスの成功はデザインだ」神田昌典&湯山玲子、マガジンハウス
(
http://magazineworld.jp/books/all/b.php?gosu=2118)
==== このニュースレターの目的 ========
このニュースレターは、生産現場、物流現場で孤軍奮闘されている方へ、また、
日本で中国のオペレーションを管理している方へ少しでもお役に立てればと思
い、発行させていただいております。我々は、生産現場、物流現場向けの業務
カイゼンのためのシステムを製造販売しておりますが、システム導入に限らず
皆様のご苦労、問題を解決する事を第一の仕事としております。
コストカイゼンを含めた様々なカイゼン事例がたくさん蓄積されています。そ
の事例を皆さんでシェアすることが、最短距離での解決方法ではないかと思い、
ニュースレターを発行しています。お問合わせや、お聞きになりたいことがあ
りましたら、このメールに直接返信して頂いて結構です。
当研究会では、しつこい売り込みは一切ないので、安心してお問い合わせ下さ
い。
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