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    こんにちは!
    一般社団法人 生産、物流現場カイゼン研究会の矢崎早人です!
    (矢崎の詳細プロフィールはこちら!)→ https://a.k3r.jp/a_sol/1861E5232B6

    「Weekly 現場カイゼンブログ」の第5号をお届けいたします。

    これは、「トヨタ 仕事の基本大全」という中経出版社が発行している本の中から、
    生産現場、物流の現場でお仕事されている方々にお役に立てる情報を、
    毎週1回当研究会の研究員から配信するものです。

    「トヨタ 仕事の基本大全」という本の詳細はこちらです。
    https://a.k3r.jp/a_sol/1861E5232B55

    さて、今週はCHAPTER6 LECTURE87「アイデアは目に見える形にする」です。

    これはトヨタの仕事のみならず、人と人とのコミュニケーションの場においては基本的な話かもしれません。

    私が2009年に中国に来た時、中国語は挨拶程度しかできませんでした。
    にわか勉強で覚えた言葉を発しても、発音が悪くてさっぱり通じません。

    そこで、日本人の武器である筆談で意思疎通を図り、なんとか話を前にすすめることができたことを覚えています。

    その後、だんだん複雑な内容を伝えたり、聞いたりする場面になると、筆談方式には
    限界があり、絵を描いたり、模型を作って説明する必要も出てきました。

    日本人同士なら「言わなくてもわかる」という前提が成り立つことが多いですが、
    外国人同士はそのような甘えが通じないですよね。

    ましてや、「アイデア」となると、それを伝えるのはとっても難しい。

    「アイデア」は新しい発想や考えですから、これまでに無いことを相手に理解してもらわなければならないわけです。

    伝える相手にベースとなる概念や知識がないと、ほとんど伝わらないことも多いです。
    そんな時、それを「目に見える形にする」ことは本当に重要だと思います。

    現在、当研究会で定期開催している「カイゼン塾」は、2010年にスタートしました。
    最初はトヨタ生産方式の理念や考え方、手法を講義形式で伝えることが中心でした。

    しかし、受講生の理解度やその後の成果を見ていると、講義だけでなく、身体を動かすような演習や実践をもっと取り入れた方がいいというアイデアが出てきました。

    そこで、私たちは上海市の松江区にある研修施設で、扇風機の組立ラインを使った実践演習を取り入れることにしました。

    本物の部品と工具を使って、扇風機を組み立てていきますので、非常にリアリティがあり、受講生のモチベーションも上がりました。

    こうして私たちは講義だけでなく、実際の体験学習を通じてトヨタ生産方式を理解できるプログラムを実施できるようになりました。

    その後、半年くらい経った時に、私たちは新たにカイゼン塾の講師をお願いしようとしているトヨタ出身の先生に扇風機の組み立てラインを見せたところ、次のようなことを言われました。

    「この教材では、既に組み立て方法が決まっているので、創意工夫できる余地が小さい。」

    つまり、カイゼン活動は創意工夫の結晶ですから、実践演習の教材はもっとラフで、
    いろいろな組み立て方ができるようなもののほうが勉強になるというのです。

    私はこの指摘の意味はよくわかりましたが、では具体的にどうすればいいのかがよくわかりませんでした。

    「パズルのようなものがいいのではないか?」

    トヨタ出身の先生はそう言って、ホワイトボードに自らイメージしている教材の絵を描き始めました。

    そして、「こんな教材を作ってごらんよ」と言いました。

    私の頭の中では、どんな材料でどんな風に加工して作ればよいのか、、、
    明確にイメージできませんでした。

    その後、一週間くらいが経過し、他の仕事に追われてなかなか教材づくりが前に進んでいなかった頃、トヨタ出身の先生から連絡がありました。

    「このあいだ近くのホームセンターで材料を買って、知り合いの大工さんに頼んで格安で作ってもらえることになったから!」

    と言うのです。そして、コストはXXXX円くらいかかるけどいいよな?みたいなやりとりもあり、結局すっかりおまかせすることになってしまったのです。

    数週間後、その先生が上海に来られた時、この新しい教材の試作品を持参されました。

    これが現在、カイゼン塾のメインの教材として使用している「カイゼンパズル」です。

    カイゼンパズルを使った演習の様子は上海電視台からのテレビ取材を受け、中国国内で放送されています。
    カイゼンパズルがどのようなものかは下記のURLにある映像ご覧ください。
    https://a.k3r.jp/a_sol/1861E5232C1

    カイゼンパズルという新しい教材のアイデアは、トヨタ出身の先生が自ら見える形にすることで現実のものとなりました。

    カイゼンパズルは、多様な組み立て方ができるので、カイゼン塾の受講生が創意工夫しながらラインカイゼンを学ぶことができる教材となっています。

    「トヨタ 仕事の基本大全」ではこんな言葉が書かれています。

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    完成度は関係ありません。手づくり感いっぱいなものでも、「ある」と「ない」とでは大違い。プレゼンなどでは、完成のイメージが見えるかどうかで、結果が大きく変わってきます。

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    実際に近くの大工さんに頼んで格安で作ってもらったカイゼンパズルは、本当に手づくり感いっぱいのものでした。

    その後、カイゼン塾受講生の拡大に伴って、私たちは中国で工業的にカイゼンパズルを制作することになるのですが、手づくりのプロトタイプがあったからこそ、それも可能になったのです。

    後日談ですが、カイゼン塾を見学した大手家電メーカーの副総経理は、これはすばらしい教材だとして、自社の新人教育や間接部門教育の教材としてカイゼンパズルを採用いただいています。

    もしそのようなご相談があればご連絡ください!

    2016年も定期カイゼン通信をご愛読いただきありがとうございました。
    いろいろな出来事が起こった一年だと思いますが、2017年は更なる発展と飛躍の年となりますようお祈りしております。

    一般社団法人 生産、物流現場カイゼン研究会
    矢崎早人

    ==== この定期カイゼン通信の目的 ========
    この定期カイゼン通信は、生産現場、物流現場で孤軍奮闘されている方へ、また、日本で中国のオペレーションを管理している方へ少しでもお役に立てればと思い、発行させていただいております。我々は、生産現場、物流現場向けの業務カイゼンのためのシステムを製造販売しておりますが、システム導入に限らず皆様のご苦労、問題を解決する事を第一の仕事としております。

    コストカイゼンを含めた様々なカイゼン事例がたくさん蓄積されています。その事例を皆さんでシェアすることが、最短距離での解決方法ではないかと思い、ニュースレターを発行しています。お問合わせや、お聞きになりたいことがありましたら、このメールに直接返信して頂いて結構です。

    当研究会では、しつこい売り込みは一切ないので、安心してお問い合わせ下さい。

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    当研究会の理念は「感謝」です。
    当研究会の仕事は、「現場で起こった問題をトヨタ生産方式(TPS)やITを活用して
    解決し感謝される事」です。現場で困ったら、まずはご一報を!!
    相談無料です。http://www.a-solsh.com/kaizen/kaizen.php
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    生産,物流現場カイゼン研究会 中国支店
    現場カイゼン診断士/総経理      門脇 圭
    (上海市中小企業発展服務中心 中日企業合作推進理事会 副理事長)
    M/P +86-1391-866-5473/+86-1861-610-2612

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