フリーランスとしてHRP(ヒューマンリソースパートナー)日中異文化経営コンサルタントして活動している金です。
プロフィール
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人事労務コンサルティングの現場ではお客様と様々な話しをします。賃金や評価、組織や風土まで異国である中国で事業を進めて行く上で総経理を含めた人事担当者の悩みは尽きません。
その中で「うちの社員にはロイヤリティがない」「中国人社員は自分の事ばかりで会社と言う概念がない」「どうすればロイヤリティを持ってくれるのだろう?」とロイヤリティについて悩みを打ち明けられる事がよくあります。
■ロイヤリティの意味は?
辞書でロイヤリティを調べると「忠誠心。または誠実さ」と出てきます。一般的にはロイヤリティは会社に対する忠誠心や愛社精神という意味合いでよく使われます。
■ロイヤリティに対する考え方
中国の現地法人に駐在される日本人の方はほとんどが出向という形で赴任されます。40代、50代の方が多く(もちろん30代の方もいらっしゃいます)新卒もしくは中途採用で入社した会社で数十年過ごされた方が現地法人に赴任をされます。
同一言語同一文化の中で価値観を共にし、自らのため会社のためと仕事を進めて行く中で自然と会社に対する忠誠心は培われて行きます。駐在員の方々と共に会食をさせていただく中で「うちの会社は」という言葉が自然と出てきます。
ロイヤリティは入社してすぐに発生する物ではなく長い年月をかけて自然とわき上がってくるものです。
現地法人の中国人社員はどうでしょうか?中国は無固定の労働契約もありますが基本的には有期の契約制です。1年、3年、5年と自分の人生をその会社と契約し仕事を全うします。
中国人社員にとって、会社は定められた時間を預ける場所であり、自分の仕事を通じて会社に貢献しキャリアを築く場所でもあります。ひとつの会社で10年やそれ以上の時間を過ごす社員もいますが一般的には自らのキャリアをどう過ごすべきかと常に考えなければならない状況にあると言えます。
■ロイヤリティは求めるものではなく作り出すもの
中国人社員が転職を決意する理由は「発展空間」がないと判断するからです。「発展空間」とはその会社でどれだけ成長の機会が与えられるか?またその会社でどれだけ自分のキャリアを築く事が出来るか?です。
「愛社精神を持て」「ロイヤリティはないのか?」と強要してもすぐには持てません。会社の事業戦略に会わせた仕事の分配と配置を個人のキャリアと照らし合わせ、面談を含めたコミュニケーションを通じて絶えず確認し仕事を進めて行かなければなりません。
個人のキャリアを正しく把握し会社の一員として成果を出し成長を実感出来た時にロイヤリティは産まれてきます。ロイヤリティは強要する物ではなく仕事を通じて作り上げて行くものです。
皆様は中国人社員にロイヤリティを強要していないでしょうか?
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