おはようございます!
カイゼン研究会の宇賀です。
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現在、私の住んでいる上海では
コロナウイルス蔓延防止策として
市を丸ごと封鎖し、家からも出てはいけないという
ロックダウン政策がとられております。
人がすべて動けないという状態なので
サービスの提供者もいなくなり
ロックダウン前には必要物資の
買い占め騒ぎが起こったりするなど
生活には大きな影響を与えております。
(そしてまだ続いております)
こういう状況で過ごしていて
ふと、昔の上司の言葉を思い出しました。
「犠牲にしたものは何ですか?」
これだけ聞くと、すごく怖い言葉なのですが。笑
以前の職場で
問題解決や対策、効果を報告した時に
必ずこの質問が飛んできました。
すごく簡単に言い直すと
「その対策の背反は何ですか?」
「トレードオフは何ですか?」
という意味です。
意図としては
その対策をして失ったもの
損したものも必ずあるはずだ。
きれいな問題解決に見えるが
悪くなった面も教えてくれ。
ということです。
当初は
「まあ対策にもお金がかかったりするし
そういう質問が出るのも当たり前かぁ」
と浅はかに考えていたのですが
だんだん
そのトレードオフ
あちらを立てればこちらが立たずの状態
を理解していることが
どれだけ重要かということに気づいていきました。
(1)必ずトレードオフはある
(2)2軸を見つけてからもう一度対策を考える
この2点で話していきます。
(1)必ずトレードオフはある
まずトレードオフを見つけるためには
頭の中で2軸に気づく必要があります。
(X軸とY軸)
こう説明すると難しく見えますが
普段からみんなやっていて
例えば
製造業で言うと
加工材料を新しいものに変更したときに
コストは下がるけど
出来高(可動率)が下がってしまう。
軽くはなるけど
コストが上がってしまう
などがあります。
製造業だけでなく
ほとんどの選択は
このトレードオフが存在していて
それを比較して判断されます。
ここが大事な理由は
成功の基準が描けていないと
2軸にも気づけないからです。
どうなったら誰がうれしいか?
どうなったら成功か?
ということをわかっていなければなりません。
こう説明していくと
なんだ、当たり前じゃないか!
となりますが
私たちは
知らず知らずの間に
お金や時間といったコストや収入
の一軸で考え
対策する癖がついています。
問題解決も基本的には
そのコストを最小化するような方向の
対策になっており、結果だけを見ると
うまくいっているように見えます。
しかし、
対策前に想定できるものもあれば
やってみて初めて分かる背反というのも
あります。
「コストは下がったから」
「不良率は下がったから」
「停止が少なくなったから」
というような1軸で判断してしまうと
そこで終わってしまい
頭を使わなくなり、
簡単な対策で済ましてしまうのです。
(コストは下がったけど
製造現場で不便を生んでいる例はよくあります。)
(2)2軸を見つけてからもう一度対策を考える
このトレードオフを理解せずに
対策のアイデアを出しても
自分の慣れた考え方や
直観に従うだけになってしまいます。
そうではなくて
発見したトレードオフという道具を
使って初めて
それをどう乗り越えるか?
どうしたら両方満足できるか?
そもそも本当にトレードオフなのか?
と考えを進めることが可能になり
良い対策や
新しい取り組みにつながります。
特に
時間軸を変えてみたら
トレードオフではなくなったり
(短期的には損だが、長期的には良い)
定義を広げたり、縮めたりすると
対策のアイデアが浮かんだりすることは
良くあります。
(2軸をコストと不良率としていたが
不良率が上がるのは特定の品番だけ
特定の条件下だけだったなど)
さらに良い案がないか考えるためには
トレードオフの存在を
理解していないといけない
それに気づかせるために上司は
「犠牲にしたものは何ですか?」
と問いかけてくれていたのだと思っています。
すべてを満たす回答がなかなかないのも
事実です。
企業はお金という軸での
判断がしやすいですが
個人や政府ももちろん
様々な軸のトレードオフに直面しながら
選択をしていきます。
そして最終的な判断は
その決定者の軸の優先度(理念の強さ)
で決まると思っています。
どれだけコストがかかったとしても
安全を守るんだ!
自由を最も優先するべきなんだ
経済の成長を止めないためなら
リスクは取るのだ!
もちろん
バランスを見た判断が多く
極端なものは、政治でもビジネスでも少ないですが
多少なりとも何かを犠牲にする判断は
その決定者の理念が反映されているように感じます。
長くなりましたが
本日はロックダウンを機に
トレードオフについて考えてきました。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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一般社団法人 生産、物流現場カイゼン研究会 中国支店
カイゼニスト 宇賀 邦人
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この定期カイゼン通信は、生産現場、物流現場で孤軍奮闘されている方へ、また、日本で中国のオペレーションを管理している方へ少しでもお役に立てればと思い、発行させていただいております。我々は、生産現場、物流現場向けの業務カイゼンのためのシステムを製造販売しておりますが、システム導入に限らず皆様のご苦労、問題を解決する事を第一の仕事としております。
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