フリーランスとしてHRP(ヒューマンリソースパートナー)日中異文化経営コンサルタントして活動している金です。
プロフィール
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■管理職インタビューと総経理の帰任
そのインタビューは総経理の一言がきっかけだった。「うちの会社の風土や雰囲気を何とかしたい。和気あいあいとしているが社員はそれなりに不満を持っているようだ。人事制度にもメスを入れたい」総経理にどのような会社にしたいのかヒアリングをしました。
いろいろと課題は挙がって来ましたが一番大きな課題は日本人経営陣と中国人社員とのコミュニケーション。社員数はそれほど多くはなく、事業としても順調に推移しているが、ベテラン社員も多く、更なる事業の発展を考えると人事制度を含め改革が必要だと総経理は感じていた。
私は組織文化や人事制度改革を遂行するにしてもまずは社員の本音を知らなければと思い、管理職インタビューの実行を総経理に提案、総経理は社内で検討すると言ったまま、なかなか答えをいただけず、時間だけが過ぎていった。そんなある日連絡があり「実は日本に帰任することになった。管理職インタビューの件を含む人事制度改革については引継ぎをかねて次の総経理に引き渡したい」と連絡がありました。会社としてこの改革は断行すべきであるという思いのもと新任の総経理にご挨拶をした。
■強烈だったAさんのインタビュー
新任総経理は当初少し戸惑いの表情を見せていましたが、前任総経理を含め私からも現在の会社の状況や今後の課題を丁寧に話していくうちに、管理職インタビュー実施の方向で承諾をいただき2日間をかけて12人の中国人管理職へインタビューが決定。1人1時間〜1時間半の時間をかけ数十項目のインタビューが始まった。仕事内容や組織における役割、キャリアや会社に対する要望等々それぞれの様々な本音をインタビューを行いながら引き出した。
Aさんのインタビュー。最初の質問である入社暦や現在のポジションを教えてくださいと聞いたところAさんはせきを切ったように話し始めた。話し始めると自信たっぷりに自身の仕事を語りだした。その内容はどれも辛らつなものばかりだった。「課題が多すぎるが解決できそうもない。まず品質だけを追求するのではなく、ランクを分けて製品を開発するべきだ」「決定権にも問題がある。現在、決定をしているのは中国市場をよく知らない日本側。
決定のほとんどが間違っている」「長年働いても信頼されていないと感じる事がある」公然と会社の批判を展開し「私はいつでも転職できる、実際にオファーも来ている」「自分が総経理だったらまず会社をこう変える」と言いたい放題だった。Aさんのインタビューは2時間。大幅に時間をオーバーしてしまった。
■何故この会社で働いているのか?
私は「Aさん正直にいろいろ答えてくれてありがとう。最後の質問ですがそれほどまで言われるAさん、あなたは何故この会社で働いているのですか?何が一番大きな理由ですか?」と言う質問だった。それまでは自信たっぷりにマシンガンのように話していたAさんがふーと息を吹き一瞬考えた後に「情です」と答えた。
私はAさんに「もう少し詳しく教えてもらえますか?」と聞きました。Aさんはそれまでの表情とは打って変わった穏やかな表情で「私は自分の仕事も会社でのポジションも自分のスキルもよく把握をしているし、理解もしています。正直転職すれば給料も倍以上いやもっと多くもらえると思います。私は会社に対して辛らつな意見や文句も相当言っていますが、この会社に残っているのは新任総経理である○○さんに拾われ、育てられ、かつお世話になったからです。技術も経験もそれこそ何もなかった私をいちから育ててくれて、かつ自分の親が病気になり出社がままならない時も○○さんはとがめるどころか我慢強く励ましてくれました。私は本当に○○さんにいくら感謝しても足りないぐらいです。
理由はと聞かれると「情」としか答えられません」インタビューをしていた会議室の空気が一変し、私は「そうなんですね」と言うのが精一杯でした。
もちろん感情だけでは働けません。会社の求める価値観と合っていなければ淘汰されます。Aさんは会社の中でも十分な結果を出し、存在感を発揮した上で発言をされていました。自社の社員の中でどれだけの社員が会社で働いている理由は「個人や会社に対する情」と答える社員がいるでしょうか?
後日新任総経理にAさんの話を伝えました。総経理は「そうですか・・・Aがそんなことを。彼とはいろいろあったんですよ」と少し嬉しそうな表情が印象的でした。
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