フリーランスとしてHRP（ヒューマンリソースパートナー）日中異文化経営コンサルタントして活動している金です。
プロフィール
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「中国人社員はよく転職をする」「会社に対するロイヤリティが低い」「会社の事より自分の事を優先する」一般的に日系企業の間ではよく言われている言葉です。果たして本当にそうなのでしょうか？
「就社」ではなく「就職」
「個」が強い中国においては自分の人生は自分で切り開くものであるという考えがあります。中国の政策により大学は増加傾向にあります。大学生の数は全国で3700万人を超えています。進学率は54％です。大卒は中国ではエリート。一昔前の日本がそうだったように、いい大学に入っていい会社に就職すると言う風潮は現在の中国でも強くあります。
親の教育や本人の考えもありますが、大学での専攻も将来を見越しての選考になります。また変化をしているとは言え終身雇用を前提とした日本と違い、中国では年数限定の契約が前提となります。自分のキャリアは自分で選択し、自分で切り開いていかなければならないと言う背景があります。
30歳ぐらいまでに大学時代の専攻を含め迷いながらもキャリアを設計します。業界を超えて転職を考えるのも一概には言えませんが30歳前後になります。そういう意味では仕事内容を中心とした就職であり、会社に身を預けるといった就社ではないのが大きな特徴です。転職をするために就職する人はいません。また転職をするために転職をする人もいないのです。
中国におけるキャリアは自分自身が将来にわたって考えるべき重要な選択であり、会社は一生面倒を見てくれないという発想があります。長く働きたくないという人もいません。様々な会社の方々にインタビューを行う事がありますが中途採用で入社し10年、中には20年と言う方もいます。キャリア設計においてはロイヤリティよりも発展空間の方が上位に来ているだけなのです。もちろん会社や人（上司や仲間）に対する気持ちもあります。就職観の異なる中国においてはまずその背景と価値観を理解する必要があります。
本人のキャリアと会社の育成プラン
中国ではまだまだ就職や転職における情報が不足しています。会社のイメージはあっても働くイメージは希薄です。発展空間にいたってはそのほとんど謎であると言っても過言ではありません。重要なのは本人の志向をじっくりヒアリングする事です。本人のプランや志向が見えてくると会社としても対応が可能になります。本人のキャリアプランと会社の育成プランがぴったり合うというのはなかなか難しいものです。（会社側として育成プランがあるのが前提となりますが）面接や面談を通じて本人の志向と会社の考えや育成プランのすりあわせが必要です。
入社後の定期的な面談が重要になります。発展空間を望みますがキャリアプランが明確な人もそう多くありません。仕事をしながら発展空間を含む様々な価値観の中でキャリアプランを作成して行きます。本人との面談を通じて人事が事業戦略をもとにした育成プランを示すことができれば双方の思惑は一致します。突然の離職や退職に驚かれる方も多いと思いますが自分のキャリアに照らし合わせた時に発展空間がないと判断するからなのです。
突然の決断ではなくあらゆる情報の中から絶えず思考しています。キャリアプランと育成プランが一致すれば自然とロイヤリティも上がって行きます。御社の育成プランは各社員のキャリアプランと合っているでしょうか？
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