こんにちは!
一般社団法人 生産、物流現場カイゼン研究会 中国支店の宇賀です。
https://a.k3r.jp/a_sol/37137B75855E28
今回のテーマは
「それの何が問題なのか? 」
です!
(問題解決への取り組み方についてです!)
この言葉は
前職で新人時代から、ことあるごとに言われ続けてきた
トラウマの言葉です。。笑
年の近い先輩に
ちょっとした軽い気持ちで、
ちょっとこんなことで困ってるんですよー
と相談しても、、
急に目つきが変わり、それの何が問題なんだっけ??
と聞かれたことを今でも思い出します。。。
また、トヨタでは昇格試験で
自分の職場テーマを選び
7STEPでの問題解決を実施し、上層部に報告します。
(問題解決のプロセスについては
以前のNewsLetterで少し書きましたので、
ご興味ありましたら、ご連絡くださいね。)
その報告会が終わると管理職からの
質疑応答に入るのですが、
ここが鬼門です。。
問題解決の発表をしているにもかかわらず
「そもそも、何が問題なんだっけ?」という質問が飛んできます。
この質問が飛んでくると
もう報告会が悲惨なくらい荒れます。笑
なぜかというと
今回の問題は、何で困っていて、解決したことで
職場ひいては会社にどんなメリットが出たのか?
ということが全く伝わっていない
つまり
「それがなぜ問題なのか?」 が
しっかりわかっていないよね
と指摘されている訳です。
(凍り付く体験でしたが、勉強させていただきました。)
この質問はなかなか考えさせられるもので
本当に取り組む価値があるものなの?
その問題になっている業務には本来どういう意味があるの?
ということや
なんでお前は
その問題に目をつけたんだ?
というきっかけとなる理由を、
自分で理解してから、取り組めよ
というアドバイスだと思っています。
抽象的な話が長くなってきたので、
困っているけど、問題がわからない方の体験談します。
私はおかげさまで
たくさんの工場を回らせてもらっておりますが
工場に着くとまず、現場の管理監督者の人たちに
自分の職場の困っていることを聞いていきます。
何も上がってこない職場ももちろんありますが
(困らないやつが一番困る・・大野耐一さんの名言)
管理者の方によっては責任や課題意識があり
困りごとを次から次へとあげてくれます。
しかし、
大部分の困りごとが以下のような形となります。
・購入部品の受入検査漏れが発生してしまうのですが、どうしたらよいですか?
・お客様の発注変更がよくありますが、どうしたらよいですか?
・人がすぐやめてしまうのですが、どうしたらよいですか?
etc
すべてに共通しているのが
なにが会社にとって困るのか(問題)かを、理解し、把握する前に
How(解決策)に取り掛かろうとしていることです。
1つ目の例で言うと
対策は
受入検査漏れが発生するので
検査の頻度をロットから全数にするべきですか?
という質問が続けて出てきました。
その前にやはり
何が困るのか、何が問題なのをはっきりさせるという
ことをしないといけません。
ここで、なぜ検品が漏れるの?と聞くのはNGで
原因を人のせいにしてしまい、
チェックリストなどを作ることが対策に
なってしまいます。
なので、
なんで?と考えるのも
問題がはっきりした後でないといけません。
ここで言う検品が漏れること は問題ではなく
検品の漏れた部品が、
そのまま後工程に流れてしまうこと が問題です。
(検品する意味を考えないといけない)
そして、そんなときに限って品質問題が起こった経験があるので
その方は検品漏れが困りごとと感じていたのです。
検品未完のものが後工程に流れていくことが
問題だと認識できれば
そのあとは
プロセスを追いかけて行き、どこで問題が発生したかを
突き止めます。
■プロセス
部品納入(ヤード)→受入検査場→検査待ち置き場→検査終了
→生産ラインへの運搬
また聞いていくと
受入検査場が狭いので、
最初から検査待ち置き場に置いてしまっており
そのタイミングで担当者が変わり、検査が漏れてしまったとのこと。
しかし
この答えはまだ問題を検査漏れとしています。
それは問題ではなく
検品未完のものが後工程に流れていくことが問題です。
ここで初めてなんで?が出てきます。
問題のあるプロセスは検査待ち置き場なので
なんで検査の終わっていないモノがそこから動くのか?
という追いかけ方です。
(先ほどのように問題をまだとらえきれずに
回答している場合が多いので、
こちらも見失わないように追いかけます)
本来なら
検査終了の表示を張ったモノだけ動かせるはずです。
結局は
検査終了の表示が形骸化しており(貼ったり、貼らなかったり)
物流も、それを見て運ぶというルールになっていなかったようです。
「検査終了の表示が形骸化していた」
ということが次のなんで?の対象となります。
ここまで見てきた例のように
最初の、
何が問題なの?
何が困りごとなの?
というとこがはっきりしないまま
原因追及、対策に進むと
せっかく困りごととして
社員のセンサーに引っかかり
カイゼンの種を見つけられそうだったのに
本当に取り組むべき問題を放置したまま
会社にとっても何の利益にもならない
という結果になってしまいます。
(むしろ変な対策による追加工数で不満も原価も高まる)
ここがはっきり捉えることができない
原因は2つあって
1つ目は、
全体の視点で見たときに、最終的に誰に影響が出る問題なのか?
を考えていないということ。
自分が責任者だからもうミスは起こしたくない
という気持ちで、困り事になっている方が多いように見えます。
(視点のスコープが狭くなっている)
2つ目は
仕事の目的がずれてしまっているということ。
日々の業務を滞りなく回すことが目的となってしまい
そもそもなんでこの仕事してるのか?というのを
忘れてしまっています。
(仕事本来の意味から考えることができていない)
例で言うと
検査を100%遂行することは目的でなく
悪いものを流さないことが目的です。
以上のように
そもそも、それの何が問題なの?ということを
はっきりさせるためには、
当事者に質問してあげないといけません。
目的を意識させ、最終的にどんな影響が出るから
困ってるんですよね?
と理解が進むような質問です。
当事者もそこの本当の問題に気付くと
的外れな対策は出てこないようになります。
さっき上げた例でも
問題に気付いた後は、担当本人が自ら
アドバイスを求めることなく、問題を解決しました。
やはり1番難しいのが問題はここだと気付く部分なので、
そこに気付くようなサポート、
そして、自分で気づくことが尚良いので(習慣になる。)
質問の形式で発見してもらうことが良いと思います。
本日は
「それの何が問題なの?」という質問に絡めて
正しく問題、困りごとを認識することが大切だということを
長々と書かせていただきました。
最後まで
お読みいただきありがとうございました!
PS
カイゼン塾Onlineにお申込み頂いた皆様ありがとうございます!
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ありがとうございました!
一般社団法人 生産、物流現場カイゼン研究会 中国支店
現場カイゼンサポートチーム 宇賀 邦人
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この定期カイゼン通信は、生産現場、物流現場で孤軍奮闘されている方へ、また、日本で中国のオペレーションを管理している方へ少しでもお役に立てればと思い、発行させていただいております。我々は、生産現場、物流現場向けの業務カイゼンのためのシステムを製造販売しておりますが、システム導入に限らず皆様のご苦労、問題を解決する事を第一の仕事としております。
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