おはようございます!
一般社団法人 生産、物流現場カイゼン研究会の池田です。
(私のプロフィールはこちら)
今週の「Weekly 現場カイゼンブログ」をお届けいたします。
これは「トヨタ 仕事の基本大全」という中経出版社が発行している本の中から、生産現場、物流の現場でお仕事されている方々にお役に立てる情報を毎週一回当研究会の研究員から配信するものです。
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本の詳細は
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先日、個人的にかなり感動することがあったのでこの思いを綴らせてください!!
突然ですが…
あなたはこの方を知っていますか?
画質があまり良くなく申し訳ありませんが…
そう、あの2000年のシドニーオリンピック男子100㎏級で金メダルを獲得したあの
井上康生選手です!
今は現役を引退され男子日本代表の監督を務めているため、ここでは井上康生先生と呼ぶことにしましょう。
実はこの井上康生先生が先日、世界中の人たちに柔道のよさを知ってもらうことで競技を広めようという活動の一環で、私が上海で通っている道場へ来てくださいました。
ちなみに私は6歳から地元の神奈川県の小さな町道場で柔道を始めたのですが、私が通っていた中学高校には柔道部がなく、道場で細くながーく柔道をしていたので私自身は大して強くはありません笑
しかしあのシドニーオリンピックの決勝戦のことは今でも記憶に残っています。
あなたももしかしたら記憶に残っているのではないでしょうか?
「選手」としてのすごさ
シドニーオリンピック男子100㎏級決勝戦での内股一本勝ち。
あの内股は今でも
「柔道五輪史に残る最高の内股」
「20世紀最高の一本」
と評される程、素晴らしい一本だったと言われています。
ですが井上康生先生を有名にしたもう一つの出来事があります。
それは試合後の表彰式で、オリンピック前年に亡くなられた母親の遺影を表彰台の一番上から高々と掲げた、あの出来事です。
本来表彰台には危険物を持っていけないことになっており、遺影にもガラスが使われているため持っていくことを日本側の柔道関係者から止めらていたそうです。
しかしそれを知った表彰台に選手を引率する外国の競技関係者の女性から、
「服の下に遺影を忍ばせて行きなさい。私は何も見てない。」
と言われたおかげで、表彰台で遺影を掲げることができたそうです。
これらを含めて井上康生先生がとても有名になったのだと思います。
「指導者」としてのすごさ
また井上康生先生がすごいのはこれだけではなく、「選手」として以外でも「指導者」としても実績を作っています。
もしかしたら少し興味のある方は気が付いているかもしれませんが、「日本のお家芸」とまで言われていた柔道で中々メダルが取れなくなり、男子柔道はかなり低迷が続いていました。
そんな中、柔道界である事件があり前任の監督が辞めたことがきっかけで井上康生先生が男子日本代表の監督を務めることが決まりました。
監督についた井上康生先生は本当に様々な「改革」をしたそうです。
そしてそれらの「改革」が実を結んだのが、監督として初めて挑んだ2016年8月のリオデジャネイロオリンピック。
そこで男子は1964年の東京五輪以来となる全階級メダル獲得の偉業を成し遂げ、低迷が続いていた男子柔道を見事復活に導きました。
もちろん選手の頑張りがあればこそですが、そこに「井上康生」という人の「指導力」が大きく貢献したのは実績からも明らかです。
畳の上の2時間
そんな超有名人であるあの井上康生先生が上海に来て、2時間だけだが同じ畳の上に立つことができる。
私はとても興奮しました。
当日、仕事が終わるなり急いで道場へ向かいました。
そして道場へ着くとあの井上康生先生が道場に立っていました。
それを見た瞬間、私の体にある種の衝撃が走り全身鳥肌が立ちました。
その理由がただの有名人だけではない理由というのはあとで分かります。
早速道着に着替えると、井上康生先生の内股の講義が始まりました。
皆の前で内股を教えるその姿に全員が見入っていたのは言うまでもありませんが、技のポイントなど教える内容や教え方以外にもとても惹かれた部分があります。
それは「
人としての魅力」です。
技を教えるその一つ一つの立ち振る舞いや発する言葉の端々から、「井上康生」その人の人柄、人格などが伝わってくるような気がしました。
その雰囲気、オーラのようなものは道場を優しく包み込むような、決して刺すようなものではなく温かくすら思える、しかし大きな芯を感じる、そんな人でした。
私が通っていた道場の先生の教えでこんな言葉があります。
「硬い硬い鉄の玉、それが柔らかい真綿で包まれている。そういう心を持ちなさい。」
「井上康生」という人はまさにそんな人なのだと肌で感じました。
そして私はこれが井上康生先生が監督としても優れた人であることの一つの大事な要素なのではないかと感じました。
「指導者」に必要なもの
前回のリオデジャネイロオリンピックで確かに井上康生先生は多くの「改革」を行いました。
例えばまず手始めに量よりも質を重視した形稽古へ見直しました。
体育会系のランニング、寝技、乱取りで汗を流すだけの練習内容を見直して、ボディビルの専門家を招き、筋力、持久力の科学的なアプローチでのトレーニングを取り入れました。
また栄養学の専門家にも相談しトレーニング、食事、休養のバランスを考えてスケジュールも組みました。
試合の対策も今までのようにただビデオを見てあれこれ策を練るだけでなく、対戦相手の傾向や選手、自らの長所、短所、フィジカルなども全てデータ化して見せるようにしました。
そして
「世界の柔道に対応するためには対戦相手のルーツを知ること」
と、ブラリアン柔術やサンボ、モンゴル相撲、ひいては沖縄相撲まで選手に体験させ、武士道の基本である「敵を知ること」から始めました。
この他にもまだまだありますが、数値化できるものは数値化してアプローチをする。
これらを井上康生監督は「改革」として推し進めていきました。
しかし私は本当にすごいのは行った「改革」ではなく、
その「改革」に選手全員を着いてこさせたこと、
ではないかと思います。
ただでさえ低迷と言われているどん底の男子柔道でいきなり指導者が変わり、あれこれ「改革だ!」と言われて環境を変えられるわけです。
不安にならないはずがありません。
「選手」として優れている人が必ずしも「指導者」として優れているとは限らない、というのはどの世界でも同じではないでしょうか?
私なら「本当についていって大丈夫か?」と不安になります。
しかし「井上康生」の「改革」には皆がついていったのです。
私も2時間程度しか井上康生先生と同じ畳にはいませんでしたが、たった2時間でも
「こんな人になりたいな」
「この人についていきたいな」
と思わずにはいられませんでした。
「カイゼン」に必要なもの
「トヨタの仕事大全」にもこのような事が書かれています。
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では、トヨタにおける「人望」とは、何を指すのでしょうか。
管理職向けの職能考課表には、「人望」の欄に「メンバーの信頼感・活力」という記載がありますが、トレーナーの山田伸一は、こう表現しています。
「一言で言えば、部下から信頼されているかどうかではないでしょうか。
あの人のような仕事をしたい。あの人のように信頼される人になりたい。
そう素直に思わせる人が、人望が厚い人として評価されていましたし、自分もそうなりたいと思って、私も先輩の背中を追っていました」
結局、行きつくところは、「この人についていきたい」と部下に思わせるかどうかではないでしょうか。
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ここでいう「改革」とは生産現場の「カイゼン」と言い換えることができるのではないでしょうか?
いくら現場で「カイゼン」をしようと思っても、それに着いてきてくれる人がいなければその「カイゼン」は成り立ちません。
内股のポイントなどの内容ももちろん大事ですが、「井上康生」が教えるからこそ心が動いたことは事実です。
それと同じで「カイゼン」の内容ももちろん大事ですが、それを現場で推し進める人の「人としての魅力」も大事な要素ではないでしょうか?
人が行う以上、なんだかんだ最後は人としての要素が大きく関係してきます。
部活動でも他校との練習試合はよくありませんか?
柔道でもよく「出稽古」と言って、他の道場にお邪魔して練習をさせてもらいます。
これらは普段とは違う周りの環境や指導者などに教えを乞うことで、自分の道場ではやらない練習メニューや教えてもらえない技などを教えてもらうことができるため新たな自分に気が付けます。
また
「同じ年にこんな強いやつがいるのか!」
「俺結構強いんじゃない?」
と、今の自分の強さや足りない部分、また同年代の友達など、様々な物を得て帰ってこれるため私は「出稽古」が結構好きでした。
あなたの現場でもいつもとは違う環境で稽古をさせてもっと成長してもらいたい人がいたら是非弊社へ出稽古に出してみては如何でしょうか?
いつもとは違う環境、違う先生、一緒の指導者の元で勉強する同志などがいると、得られるものは「カイゼン」についての知識だけではないかもしれませんよ。
長文で恐縮ですが、読んで頂きありがとうございました!
現場でのお困り事があったらお気軽にご連絡ください。
P.S.
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一般社団法人 生産、物流現場カイゼン研究会 中国支店
池田 竜貴
==== この定期カイゼン通信の目的 ========
この定期カイゼン通信は、生産現場、物流現場で孤軍奮闘されている方へ、また、日本で中国のオペレーションを管理している方へ少しでもお役に立てればと思い、発行させていただいております。我々は、生産現場、物流現場向けの業務カイゼンのためのシステムを製造販売しておりますが、システム導入に限らず皆様のご苦労、問題を解決する事を第一の仕事としております。
コストカイゼンを含めた様々なカイゼン事例がたくさん蓄積されています。その事例を皆さんでシェアすることが、最短距離での解決方法ではないかと思い、ニュースレターを発行しています。お問合わせや、お聞きになりたいことがありましたら、このメールに直接返信して頂いて結構です。
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