おはようございます。
一般社団法人 生産、物流現場カイゼン研究会 中国支店の鳥枝将光です。
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今週の「Weekly 現場カイゼンブログ」をお届けいたします。
これは、「トヨタ 仕事の基本大全」という中経出版社が発行している本の中から、生産現場、物流の現場でお仕事されている方々にお役に立てる情報を、毎週1回当研究会の研究員から配信するものです。
「トヨタ 仕事の基本大全」という本の詳細はこちらです。
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今週はCHAPTER_7 LECTURE97の"
「全戦全勝」は目指さない"です。
これって、ちょっと不思議だと思いませんか?
「全戦全勝」できるに越したことはないし、今はできなくてもできるように高い目標として設定することは悪いことではないと、あなたも感じるのではないでしょうか?
トヨタの仕事大全ではこのように書かれています。
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たとえば、プレスの仕事の究極的な目標は、不良を1件も出さないことです。
しかし、どんなに精度の高い仕事をしても、不良をゼロにすることはできません。0.01%くらいはどうしても不良が出てしまう。
一日中、不良なくプレス機が動き続ければ、その日は目標達成ということになりますが、次の日に不良が出てしまえば目標は未達です。
仕事で「全戦全勝」はありえません。
10日間で不良ゼロの日が7日、不良が発生した日が3日あれば、7勝3敗。
そうしたら、次の10日間では8勝2敗、9勝1敗を目指す。
このように日々進化することを重視する。
それを続けていれば、不良ゼロに確実に一歩近づくことができるのです。
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実は先日、約1年間のカイゼン指導を終えた現場があり、最終の報告会に私も参加させてもらいました。
カイゼン指導開始当初から大きな改善テーマの一つとなっていたものに外観成型部品の黒点不良の減少がありました。
カイゼンを進めれば進めるほどに明らかになるのは以下の2つのことでした。
①不良の原因は1つではなく、複数の要因が重なっている
②せっかく対策を取ったものの逆に不良率を上げてしまう対策もある
実は、全体で3つあるカイゼングループの中でも、もっとも苦悩が多かったのがこのグループです。
最初はSGSに黒点不良の調査依頼をして黒点の成分はなんなのか?複数のサンプルを送って調査してみたところ、鉄粉であることがわかりました。
また加えて原材料の炭化を疑いながらカイゼンの原因を探ってみることになりました。
成型機まわりの現状や調査の結果を元に…
約1年間を通して、大きく8つの対策を取りました。
結果は4勝4敗です。
それでは、実際に取った対策の内容と効果をひとつずつ見てみましょう。
1.治具・成型機の清掃(効果アリ)
…1勝
2.成型機内の温度と不良の関係調査(黒点には影響ナシ、ウェルドには効果アリ)
…1敗(黒点不良低減という意味で)
3.成型機専用の洗剤を試す(不良増加)
…1敗
4.お客さんと現状の限度見本を元に不良限度の見直し(効果アリ)
…1勝
5.新しい成型機の導入(効果アリ)とはいえ、古い成型機も使い続けるので対策は継続。
…1勝
6.作動油の油温と不良の関係調査(関連ナシ)
…1敗
7.原材料投入口の周りの簡易的な密室化(効果ナシ、なぜか不良上昇)
…1敗
8.朝市の実施(効果アリ)
…1勝
※朝市とは…限度見本を元に前日、一旦不良扱いになったものを毎朝管理者と作業員が一緒に見直しを行い、良いものは良品とする活動。
結果、4勝4敗ながら不良を5.3%低減することに成功しました。
このグループの活動報告の最後の感想にはこう書かれています。
"今思い返してみれば、回り道をしたり、予想と結果が違うことに悩んだりもした。けど、グループの皆と一緒に努力し、不良低減に繋げられた。
自社のカイゼン精神をこれからも継続し諦めずにこれからもカイゼンを継続する"
このグループはこの4勝4敗の経験を他機種に横展開し、さらなる黒点不良を削減するためにもう一度原点に立って、これまでの知恵・知識・経験を元にもう一度4M分析を始めると結んでいます。
指導の前半は中々、光が見えない時期もあったものの、これだけの経験を積んだ上で次はどんな手が出てくるかは私も楽しみにしています。
あなたの会社のカイゼンメンバーはどうですか?
時には、同じ中国でくじけずにカイゼンを続けているメンバーと会社があるんだよ、とこのストーリーを伝えて鼓舞してあげてくださいね。
あなたの成功を応援しています。
一般社団法人 生産、物流現場カイゼン研究会 中国支店
現場カイゼン診断士 鳥枝 将光
==== この定期カイゼン通信の目的 ========
この定期カイゼン通信は、生産現場、物流現場で孤軍奮闘されている方へ、また、日本で中国のオペレーションを管理している方へ少しでもお役に立てればと思い、発行させていただいております。我々は、生産現場、物流現場向けの業務カイゼンのためのシステムを製造販売しておりますが、システム導入に限らず皆様のご苦労、問題を解決する事を第一の仕事としております。
コストカイゼンを含めた様々なカイゼン事例がたくさん蓄積されています。その事例を皆さんでシェアすることが、最短距離での解決方法ではないかと思い、ニュースレターを発行しています。お問合わせや、お聞きになりたいことがありましたら、このメールに直接返信して頂いて結構です。
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