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    こんにちは!
    一般社団法人 生産、物流現場カイゼン研究会中国支店の矢崎早人です!
    (矢崎の詳細プロフィールはこちら! http://china.a-solsh.com/staff_details04.html

    2014年もあともう少しで終わりですね。どのような一年でしたか?
    私はちょうど今年の1月に上海で自動車免許を取得して車の運転を始めました。

    日本でもそれなりに運転はしていたのですが、今は毎日の通勤のほか、顧客訪問にも自分で運転していくことが多いです。

    上海市の統計によれば、自動車保有台数は2010年に103.8万台だったのが、2012年には141.3万台に増加しています。
    上海の渋滞が年々深刻になっているのもうなずけますね。

    1年間運転してみて今はもうだいぶ慣れましたが、最初はおどろきの連続でした。
    日本の運転感覚からすると、本当にありえないことが多々起こるのです。

    特に怖いのが追い越しです。右側通行左ハンドルに慣れるのも一苦労だったのですが、隙あらば左側・右側を問わず意外なところから追い越ししてきます。
    そして、かなり狭い空間での割り込みも怖いです。方向指示器を出さないで割り込む車も多いので注意しなければなりません。

    このような運転をしていれば、当然事故も多くなります。
    毎日とはいかないまでも、かなりの頻度で交通事故の現場を目にします。
    そして、それがまた更なる渋滞を引き起こしていくのです。。。

    個人的見解ではありますが、私は上海での車の運転が危険で事故を起こしやすい理由は3つあるのではないかと考えています。

    1.道路の車線数が多い(道路幅員が広い)
    中国は広大で起伏の少ない国土なので、日本と違って道路の車線数が多いです。日本でよくある4m道路(生活道路)というのは、ほとんど見かけることがありません。
    幹線道路になると、片側3車線や4車線は当たり前で、1車線の幅も広いので渋滞時は2台が並行して並ぶことも多いです。
    車線数が多いことは、それだけ左折や右折のために車線変更が必要になります。
    そのためのムリな割り込みが事故を誘発しています。
    また、中国の交通法規でも交差点は直進車が優先ですが、実際の運用は左折する車が優先になっていると言えます。とにかく先に入った方が勝ちというところがあり、お互いに自分が優先だと思っていると事故が起こりやすくなりますね。

    2.自由に右折ができる
    中国では信号が赤であっても基本的に右折することができます。
    このルールは歩行者や自転車にとって非常に危険です。青信号の横断歩道を渡っていると、右折する車がどんどん入ってきます。しかも、多くのドライバーが歩行者を優先しないため、歩行者は車が通過するのを待ってから横断歩道を渡らなければなりません。
    一方、車の方は、赤信号で右折をする際に前後を走っている車と距離を計ってうまく合流しなければなりません。これも事故を誘発する要因の一つだと言えます。

    3.二種類の速度違反がある
    制限速度を超えて走るスピード違反が問題なのはいうまでもありませんが、一方、制限速度をはるかに下回る速度で走るスピード違反も大きな問題です。
    例えば、制限速度60km/hの道路を40km/h以下で走っている車です。
    後続車はその速度にイライラし、できるだけ早く追い越しをしようと試みるため、新たな事 故を誘発する恐れがあるのです。
    速く行きたい車とゆっくり行きたい車とが広い道路で混在し、自働車台数が増加している中でその接触頻度が高くなっているというのが、今の上海の交通事情だと言えます。

    交通事故を減らすため、もちろん警察も努力しています。
    幹線道路ではかなり多くの自動速度違反取締装置を取り付け、スピードの出し過ぎを抑制しています。
    朝の混雑時には警官が交差点に立って交通整理を行っていることが多いです。
    また、交通法規に違反した車は写真撮影され、そのデータをもとにシステムから違反の通知がされます。違反者は最寄りの警察窓口に行って罰金を払わなければなりません。
    ルールを守らない者は罰せられることは頭ではわかっていますが、実際に事故にあってみないと本当のことはわからないかもしれませんね。

    私は上海で運転を始めて約半年経った頃に、4車線の道路を走行中に後続車に衝突されました。
    前方で大きく車線変更をしている車がいたので、私もかなり速度を落としていたときに突然ドーンとぶつかられてしまったのです。
    ただ、いけなかったのは私がびっくりしてすぐに車を道路脇に寄せてしまったことです。つまり現場検証をしないままに車を移動させたため、どんな状況で事故が起こったか確認できなくなってしまいました。
    衝突した後続車は、私が突然車線変更をしてきたと主張しました。警察もその場の状況が確認できないため、真実がわかりません。おまけに私は外国人で言葉もよく通じないし、面倒な手続きを避けるために前方を走っていた私が100%悪いということで決着され てしまいました。
    それ以降、私は特に車線数の多い道路を走るときは細心の注意をはらって運転しています。

    1年間上海で運転すると、日本ではありえないような車の動きにもだんだん驚かなくなってきます。
    むしろ、そういう動きが予想できるようになり、カオスだと感じた交通事情もそれなりの暗黙のルールがあることがわかってきました。
    ただ、それでも事故が多発しているのは、やはりルールを守らないドライバーが後を絶たないからだと思います。
    私も速度のおそい車を追い越したり、ちょっとムリな割り込みをしてしまったりすることもあります。
    皆がやっているから自分もやっていいだろうという感情がないわけではありません。
    なによりも、自己中心的な発想で運転してしまうときが一番危険だと感じます。

    当研究会は、中国の生産、物流現場でのカイゼン活動をお手伝いしておりますが、交通ルールと同じように作業者にルールを守らせるのは容易な事ではないと感じています。
    上海で車を運転してみて思うのは、ドライバーが自分の裁量でどうにかできる部分を多くすると、なおのこと統制が難しくなるということです。
    例えば、道路幅が広いということは、追い越しや割り込みをすれば先に行けるという可能性を広げています。
    日本のように道路幅員が狭くて車線数も少ない場合は、前の車が進むのを待つしかありません。

    5Sでの物の置き方においても、表示や枠を設けて場所や向きを規定するようなやり方をしますよね。
    そうしないと皆が勝手に置くようになり、管理監督者も注意しなければいずれルールが無くなってしまい、その結果品質不良が生まれてしまうのだと思います。
    まずは現場のルールが明確に規定され、誰がやっても同じ結果になるような基準になっているかどうかをチェックすることが大切ですね。
    ぜひこれを機会に当研究会のルールも見直してみたいと思います。

    それではまた、皆さまのお役に立ちそうな情報があったら配信させていただきますね。

    一般社団法人 生産、物流現場カイゼン研究会 中国支店
    矢崎早人

    ==== この定期カイゼン通信の目的 ========
    この定期カイゼン通信は、生産現場、物流現場で孤軍奮闘されている方へ、また、日本で中国のオペレーションを管理している方へ少しでもお役に立てればと思い、発行させていただいております。我々は、生産現場、物流現場向けの業務 カイゼンのためのシステムを製造販売しておりますが、システム導入に限らず皆様のご苦労、問題を解決する事を第一の仕事としております。

    コストカイゼンを含めた様々なカイゼン事例がたくさん蓄積されています。その事例を皆さんでシェアすることが、最短距離での解決方法ではないかと思い、ニュースレターを発行しています。お問合わせや、お聞きになりたいことがあ りましたら、このメールに直接返信して頂いて結構です。
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