2022年にスマートファクトリー研究に関してある論文が発表されました。
https://www.emerald.com/insight/content/doi/10.1108/IJLSS-07-2022-0156/full/pdf?title=an-implementation-model-for-digitisation-of-visual-management-to-develop-a-smart-manufacturing-process
アイルランドにある
200人規模のファスナー工場を対象とした実験で
冷間成形工程に最新鋭のデジタルツイン技術を導入し
生産性が向上するかということを見るという目的です。
結論から言うと
わずか17人の部門である冷間成形で
設備総合効率(OEE)が10%向上し、持続的に続いているとのことでした。(対象期間は明記されておりません)
いろいろ難しく書いてあり、
何かすごい投資をして、生産性が上がったように見えます。
しかし、よく見ると
実際この会社が取り組んだことは
正確なデータ取得と可視化
そのデータに基づく定期的な対策会議の導入
それだけなのです。
センサーとPLCから必要なデータを取得することに加え
そのデータからその設備と同じ動きをシミュレーションしたもの
を作り出して、故障予測等に利用されたようです。
(これがこの論文の中で言われているデジタルツイン)
でも結局、
設備総合効率上昇を導いたのは
・センサーによるリアルタイムでのデータ自動収集。
・そのデータを観察し、停止プロセスはなぜ起こるか?
という原因分析担当のアサイン。
・可視化された情報をもとに
上司を含めた定期的な対策会議の実施。
これらが新たに追加され効果のあった取り組みとして
紹介されています。
何が言いたいかというと
最新のいろんな用語やIoT、システムが出てきますが
最先端の取り組みでも
結局やったことは
作業者が記録しているデータから
自動収集の正確なデータに変更し
且つ
しっかり取得したデータを見る時間を作る。
これが生産性向上に必要な要素だということです。
高度な分析やAIが必要ということではなく
データが正確であれば
その停止のロスが生産プロセスの中で
どう起こっているかということを調査する。
その仕事を日常化するということなのです。
それがコストダウンへつながります。
▼なぜ、正確なデータが取れないのか?
実際、どんな工場でも従業員は毎日生産情報を記録しています。
生産実績、稼働率、可動率、停止の原因、、
しかし
それはあくまで生産終了後の結果であり
生産中にいつ、どれだけ止まったのかというのは分かりません。
つまり、その結果ではいつ、どんなロスがあったかという
必要な情報がないため、
分析、アクションにつながらないということです。
それに加えて、人手による記録のため、
大規模の故障等、誰の目にも明らかなトラブルは記録しますが、
それ以外の、作業ミス等による細かな停止は記録されないことがほとんど。
「生産数さえ達成していれば問題無い」
その意識が生産日報、記録にも影響しています。
これは
コストダウンにつながる停止ロスを可視化するために
人手で記録することの限界でもあります。
逆に言うと
日々起こっているこのロスを可視化し
対策することで原価低減につながるということ。
それを可能にしたのが
新開発ラズベリーパイ搭載の
可視化センサー&システムです。
ライン設置にかかるのはわずか1時間
いつ、どれだけロスがあるのか丸見えに。
従業員の記録作業をなくし、
低コストで簡単にコストダウンへの手が打てる。
以下にメリットを簡単に説明しますね。
■従来の課題と解決策
(1)生産時間のムダが見えない
・従業員は生産実績のみを記録しているため
生産中の停止時間まではわからない。
・可動率の記録も生産数を元にしているためデータの正しさ、いつどれだけ止まっているかが把握できない。
→センサーにより稼働データを自動で収集。
正確なデータ取得及び24時間リアルタイム監視が可能。
(2)可視化までの費用と時間
・設備メーカーとの打ち合わせ、改造コスト、
PLCの修正、データの取り出しなど、ハード面で多くの費用と時間が必要。
見える化までに1年以上かかるというプロジェクトが通常。
それに加えてシステム業者選びから開発などソフト費用が発生。
→どんな設備でもセンサーを取り付けるだけ。
1時間でハードとソフトの設定完了。
(3)データ収集後のアクション不足
・データが蓄積されていても、
ローカル従業員がうまく使いこなせず
ロス削減に向けての具体的な行動がない。
→弊社に在籍しているトヨタ自動車OBのコンサルタントが
取得データを活用しオペレーションのムダを見つけ
あなたの工場のコストダウンをサポート。
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